コラム

鑑賞サービスを広めるために字幕は聴覚障害者だけのサービスではありません。高齢者の情報補完や発達・知的障害児(者)など視覚優位の人にとってのサポートにもつながります。また、日本語以外の多言語字幕を実施することで、訪日・在日外国人への情報サービスとしも活用できる可能性を秘めています。映画やテレビで字幕を見たことのある人もいると思いますが、これを舞台芸術で実現しようとすると、なかなか大変だったりします。例えば、演劇公演の場合、戯曲をそのまま表示する方法があります。では、アフタートーク付き公演の場合は、どうすればよいのでしょうか。アフタートーク部分はフリートークになるので、事前に仕込んでおくわけにはいきません。聞こえてくる言葉をリアルタイムで文字情報に変えて表示する技術が必要になります。字幕を映し出す場所についても考えなければなりません。舞台芸術の場合、劇場や演目、作品によって様々な技術を組み合わせる工夫が必要になります。障害のある人や障害を感じる人の環境づくりに携わって20...

災害からの復興をテーマとし、火の国熊本の過去から現在に至るまでの壮大な時の流れと変容する風景を、踊りと『手紙』で語り継ぐパフォーマンス作品を創作します。クリエイティブチームには、映画「うつしいひとサバ?」でタッグを組んだ熊本県出身の行定勲監督と日本を代表するコンテンポラリーダンスカンパニー・ニブロール主宰の矢内原美邦さんを迎えます。本作品に参加してくださるバックダンサー・パフォーマーを、下記の要領で募集いたします。ダンスの言語機能は、たしかに実際の言葉よりも曖昧ですが、意味や解釈だけにとどまらない身体コミュニケーションをコロナの今、再認識しています。コロナ禍での創作は不自由なことばかりですが、そんなときにこそ表現はポジティブな力を生み出します。この生きづらい時代にあらためて生きるということを見つめなおすことで、自分たちがとらわれている常識をもう一度疑って考えることが、いずれやってくるであろうコロナ後の社会に様々なアプローチになると信じています。復興とは、名前のない、言...

「都市を遠く離れて」 奈良の山奥でこの文章を書き始める。天川村にある築100年を越す日本家屋。ここには毎夏、日本全国様々な地域から俳優が集い、一週間山での共同生活をしながら演出家と共に作品創作をおこなっている。今日で5日目、二日後にはショーイングが迫っている。8月でも昼間は山を通り抜ける風が涼しく、夜から明け方にかけては長袖がないと逆に寒いくらいだ。都市から遠く離れたこの場所には、新たな出会いと創作に集中できる環境が整い、心のゆとりが回復していくのを感じている。都市から遠く離れている今現在、出会うモノ、回復していく私自身について、立ち止まって考えてみたい。 普段の私と、山での生活の根本的な違いは、選択肢の幅だ。ココでは人間の顔が良く見える。そして対話のゆとりを許してくれる、ゆったりと流れる時間がある。多くの人間や、娯楽、選択肢に囲まれて生活していると、常に選択を迫られているような感触があった。当然全部できるわけではないし、選ばなければならないわけだが、選べずにズルズル...