【第438回】ごまのはえ(劇作家・演出家)

私は生きていくうえで避けれない様々な不安を、「大不安」と「小不安」にわけています。

「大不安」は死とは何か生とは何かという根源的な問いのこと。「小不安」はお金がないとか苦手な人と喋らなきゃいけないとか日常の諸々のことです。

「大不安」は夜の海です。暗くて底知れない。向き合うと気が狂いそうになる。「小不安」は蚊やアブのよう。鬱陶しく確実に消耗させられる。

ところがおかしなことに「小不安」と戦っていると「大不安」に安らぎを感じる時があります。また逆に「大不安」に脅える時には「小不安」は浮き輪のような役割を果たします。

答えのない不安にさいなまれた時、矮小な事柄にしがみつくことが安心をもたらすのでしょう。

こんど上演する「男亡者の泣きぬるところ/女亡者の泣きぬるところ」は、「小不安」と戦う人たちを描いています。

そんな彼、彼女らに時おり安らぎの光がさす。それは「死」です。「死」を感じた彼、彼女らはひと時の安らぎを得ます。そして「死」が怖くなり、また元気に「小不安」を求めだすのです。

人はそれを健康と言います。


ごまのはえ

劇団「ニットキャップシアター」代表。(一社)毛帽子事務所所属。好きな言葉は「やせたね」。 

ニットキャップシアター「男亡者の泣きぬるところ/女亡者の泣きぬるところ」


作・演出 ごまのはえ


出演

「男亡者の泣きぬるところ」 門脇俊輔、澤村喜一郎

「女亡者の泣きぬるところ」 高原綾子、仲谷 萌


日時

6 月 12 日(火) 19:30

6 月13 日(水) 19:30

6 月14 日(木)13:00 / 17:00


会場

リノベーションミュージアム冷泉荘


料金

2,800 円 (当日券は+500 円/全席自由)


予約・お問合せ

予約フォーム: http://knitcap.jp/mouja/

お問合せ:mail info@knitcap.jp Tel 090-7118-3396


※上演時間 2 本立て合計約2時間を予定

※受付開始・開場時間 開演時間の20分前


あらすじ

「男亡者の泣きぬるところ」

エレベーターに閉じ込められた二人の男。偶然乗り合わせたはずが、隠された秘密が次々と明らかになり…

2004 年の初演以来、各地で上演されている大人気コメディ。 男の悲哀にむせび泣く、シーソーゲームの幸せ残酷劇!

「女亡者の泣きぬるところ」

アルバイトとして働くバツイチの 30 代女性と、自殺の請負屋として仕事をする 30 代女性とが織りなす二人 芝居。

2017 年初演。なんとか幸せになろうともがく女の二人芝居。 泣いて笑って最後はどっち? 今だから観たい、現代亡者録!

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