【第477回】桑森ケイ(ジャカっと雀 代表)

【"非本来"の生き様】

野菜。小さな種(もしくは根っこや木)から成長して、だんだん大きくなっていく。

食用として栽培され、ビジネス社会で価値を持つために可食部が大きくなっていたり形がキレイに整っていたりするその姿は、同じような教育を施され社会人になっていく僕らの姿に重なる。大げさかもしれないが、ひとつとして同じものがないところなどそっくりだ。

調理のされ方、すなわち就職先も様々。熱するだけでも焼く、煮る、蒸す、茹でる、、、その生き様を僕らは毎日いただいている。本来想定されていない「人形劇の出演者」になる野菜たちはどんな心境であろうか。

『犬神博士』では、大人たちの常識を覆していくチィの姿が痛快に描かれている。その切り口、日本語の使われ方は現代の日本語とは少々異なっていて、けれども意味はしっかりと分かる。22歳の僕にはとても新鮮で、面白いことおびただしい。

そんな、(どんな?)どこか"非本来"な生き様の交錯は、1月19日箱崎水族館喫茶室にて目撃できよう。小さな劇場屋さん 秋の夢野久作劇場『犬神博士』一月公演、全編から"闘い"を抽出し、野菜を使ったオブジェクトシアターにてお届け。

ジャカっと雀 代表:桑森ケイ 

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