【第511回 】ペーター・ゲスナー/松尾容子(うずめ劇場)

うずめ劇場は、1995年に北九州市で結成されました。翌1996年「わが友ヒットラー」(作/三島由紀夫)で旗揚げ公演。その後、劇場以外にも、神社の境内、お寺の本堂、関門海峡を借景にした門司港ホテルのテラス、1901モニュメント前広場のドームテント、東田溶鉱炉跡などなど、いろいろなところで芝居をやり、北九州で人気を博した劇団です。2007年に東京に移転しましたが、うずめ劇場のふるさとである北九州で何かやりたいと常々思ってきました。

13年ぶりとなる今回は、うずめ劇場の本メンバーと、ゲスナーが東京の桐朋学園で育てた元学生の劇団サルメカンパニーのメンバーがタッグを組んだ公演。ベテランの円熟した演技と若手のパワーによる新しいうずめ劇場をご覧ください。

ラシーヌの悲劇「フェードル」は、昨年10月から今年2月まで東京でロングラン公演を行い、大変良い評価を受けました。(うずめ劇場『フェードル』:翻訳劇を生き抜く演技の力/新野守広→ http://theatrearts.aict-iatc.jp/201902/5722/)

マリヴォーの「贋の侍女(にせのじじょ)」という芝居は、うずめ劇場らしい少しコメディチックなもので、桐朋学園でも上演され、学生の間で大人気でした。

対照的に見える2作品ですが、50年を隔てたほぼ同時代のフランスで書かれたもの(「フェードル」の約50年後に「贋の侍女」が書かれました)。急速に変わる経済政策や価値観の中で、人間の生き方がどう変わるのか、2作品を見比べることで見えてくる、現代に通じるおもしろさがあります。ぜひ、おトクなWチケット(2回観劇券4000円)で2作品を見比べてください。

アイアンシアターと若松海岸での「フェードル」終演後は、飲んだり食べたりしながら気軽に歓談できる場も用意します。

はじめてうずめ劇場を観に来たお客さんもぜひご一緒に。皆さんも少し飲み物とか持ってきてくれたら嬉しいです! 

0コメント

  • 1000 / 1000