【第524回 】上野敦子(演玩カミシモ)

演玩カミシモは演劇の創作をしています。演劇はナマモノ。ある特定の場所に集まったヒトだけが情報などを共有する特殊性を持ちます。

konya2023は「未来の雑居ビル」をテーマに、様々な分野で活躍する人が集まり「新たな価値と文化の醸造」する場所です。

カミシモとkonyaの活動開始は2008年。なんと素敵な偶然!

konyaのビルに入るといつも感じるのは、ぬくもりです。「数秒前、数年前、誰かがいた」。場所に刻まれた記憶を、誰もが無作為に受発信できる方法が「建物」なのかな。演劇が演劇である為に「場所」が必要なのはそういうことだな、と考えます。

今、福岡市は大きなプロジェクトの元、とにかく平らにする作業が進行中です。その様子に、どこか息苦しさを覚えます。自分のこころの一部が削られるような。

ゼロからうまれるものってあるのかな。自由を謳い、新しさを求めながらも、私達の土台はダレカが今までつみ重ねられたモノ。「見える/見えない、ふれられる/ふれられない」モノ・コト・ヒトが交差して、営みはつみ重ねられる。そうして「今」になるのではないでしょうか。

いつだってのぼる太陽は同じで、腹が減って「ぐぅ」と鳴る。すべては、より輝かしい「ぐぅ」の為に、です。

2020.10.14


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