【第580回】羊屋白玉(「指輪ホテル」芸術監督。演出家。)

おひさしぶりです。昨年は、皆様、心も体も揺さぶられた一年だったと思います。ご自愛にご自愛を重ねられますようにと祈りつつ新作へのお誘いのお便りを書いております。

かく言うわたしも、リンゴの実が木から全て落ちてしまうほど揺さぶられていました。落ちたリンゴは、まだ青いものもありましたが作品へと形を変えてゆきました。昨年予定されていた上演は延期や中止になる中、アーティストがどのように生きてゆくかをあらためて考える機会を得、「アーティストの労働や環境を考える会」の活動をしていました。

夏には、トビウ芸術祭、さっぽろアートライブ、山口ゆめ博覧会植物園プレ公演と歩んでまいりました。

一方、札幌でリサーチしていたホームレス支援の会の活動をきっかけに、札幌市ホームレス相談支援センターでソーシャルワーカーとして働き、二足のわらじを編み始めています。

そんな一年を経て今クリエーションの嵐の中です。新作「Again! Again!」という実も、もうすぐ落ちることでしょう。酸っぱすぎたり、熟しすぎてたらごめんなさい。

太宰府天満宮のお隣『だざいふ遊園地』で、福岡の俳優たちと一緒にお待ちしております。冬の遊園地、あたたかくしてお越しください。

2021.01.17

指輪ホテル - 作家|大地の芸術祭

日本指輪ホテルは、羊屋白玉が、劇作と演出、ときどき俳優をつとめる「作品の連続体」である。1994年、明治大学、中央大学、多摩美術大学、東京藝術大学ら出身のグループによって結成された。既成の演劇シーンに疑問を投げかけ、活動の場を劇場だけに留めず、さまざまな場所での活動を続ける。以来、羊屋白玉が劇作と演出をつとめており、廃工場やテニスコート、書店、レストラン、ストリップ劇場など、オルタナティブスペースでの空間演出と、国内外を問わず女性パフォーマーのみで構成されるドラマツルギー(演劇論)を通して、新しい社会観や世界観、死生観のあり方を提示してきた。作品は、「少女という表象へのこだわりと、脱力という感覚をけっして捨てない徹底ぶり」「楽天的な未来と強い生命力に溢れる寓話的な舞台」「斬新なビジュアル、奇想天外な発想、数多く登場する奔放なイメージの女の子達」「上質のファンタジー」「数少ないアンチエスタブリッシュとして、価値転倒的な『キャンプ』的感覚をもって現実の社会にたいして意義を唱え、オルタナティブな社会像を提示し続けている」「アンチリアリズムに徹した観念的な虚構の世界を舞台に現出されるという点で羊屋は近代以降の日本の劇作家としてはまれな資質をもっている」などと評されている。03年、「It’s up to you」が、アジア女性演劇フェスティバル招聘され、優秀賞受賞。06年、「Candies」が、アメリカポートランド市でのコンテンポラリーアーツフェスティバル「T:BA」に、招聘され、「今フェスティバルにおいて、最も成功した公演であった」と評される。国際共同製作や、フィルム作品など、国内外問わず活動の幅を広げている。これまでに、指輪ホテルが訪れた街は、東京、札幌、別府、大阪、京都、取手、マニラ、ベルン、パリ、カーディフ、ロンドン、グダンスク、サンパウロ、ポートランド、ニューヨークである。 撮影:Sakiko NomuraShareShare 最新ニュースやイベント情報、越後妻有の四季の様子、公式メディア「美術は大地から」の更新情報などを大地の芸術祭公式SNSアカウントで発信しています。 大地の芸術祭公式メールマガジン「大地の便り」(無料)は、芸術祭の情報やイベント、サポーターの活動などをお届けするメールマガジンです。

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