僕はなにか文章を書こうとした時、必ずなにか映画や本を少しだけ堪能する。それはロッキーのテーマとほぼ同じ効果を発揮する。今回は棚の左下にあったいつ買ったかも覚えていない本を出してみた。後半の数ページの下の部分が大胆に折り曲がっている。きっと暇な時に読もうと思ってバックの中にしまいっぱなしにしていたのだろう。もっと物を大事に扱えよと自分を責めながらペラペラめくると6ページ目くらいになにか挟まっていた。しおりの役割を担ったNationalのテレフォンカードだった。うーわ、なつかしっ!しかもNational!?僕のノスタルジーポイントは卵の値段くらいにはぐんと上がった。
そういえば、小中までテレフォンカードをよく使っていた。メールで定型文しか送れない子供用携帯は持っていたが、周りはみんなiPod touchというスマホと何か違うんだよと思っていた音楽プレイヤーを使っていたのと、とにかくその形がたまごっちみたいでダサかったことから頑なに公衆電話で親に連絡していた。今になっては何が恥ずかしいのかわからない。きっと当時よりかは成長したのだろう。
僕は昔から自意識過剰なところがある。親や先生、クラスメイトの機嫌を伺いながら生きてきた。高校ではアホになった方が楽なのではと思って勉強しなくなり、高校卒業間近でやっぱ頭がいい方が好印象だと思って1年浪人した。
「個性を伸ばせ」とよく言われるが、僕はそれを聞くと苦しくなる。こんな過ごし方しかしてこなかったやつに個性があるわけがない。人から聞いた印象のほとんどが「優しそう」なやつの伸ばす個性はなんですか?テレフォンカードが挟まったページには学校に一人も友達がいなかったハガキ職人の苦労が書かれてあった。なんだよそのど強い個性!うらやましい!
大学に入るといろんな個性の持った人がいる。絵が上手い人、カメラが好きな人、映像を作っている人、楽器ができる人。僕には何もなかった。だから周りに誰もいなかった演劇頑張っている人になった。
演劇は思いのほか面白いもので、架空では僕より個性のある別の人になれる。しかし今一緒に稽古している人たちは現実も架空も個性が強すぎる。しかも個性がばらばら。こんなに個性って種類あるんだと思う。架空でも負けるのかよ!最近の稽古帰りのバスの中ではいつもこれである。
そしてこのコラムの終わり方を考えているのだが、読み返してみると、え、思春期? 恥ずかしくなってきた。やっぱり成長していないのかもしれない。もはやこれ個性じゃないのか?個性に振り回されてどうにもなってないのは個性じゃないのか?もういいやこれが個性ってことで。そうなってくると降り曲がったページも一つの個性のように思えてきた。なんか少し…いや、やはり嫌だった。僕は果たしてこれからどうなってしまうのだろうか。4/28~4/30『じぇねれぇしょんず✊』上演。
一寸先はパルプンテ 再会公演
「じぇねれぇしょんず✊」
【作・演出】
馬場佑介(Yb イッテルビウム)
【キャスト】
古賀駿作(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)
首藤誠人
そめやみつ(マジカル超DXランド)
大和屋満福(劇団ジグザグバイト)
戸塚有輝
馬場佑介(Yb イッテルビウム)
山口大器(劇団言魂)
加茂慶太郎
稲益康朗(流動体ケミカルドランカー)
【日程】
4月28日(金) 19:30
29日(土) 13:00/16:00/19:30
30日(日) 13:00/16:00
【会場】
甘棠館Show劇場
(福岡県福岡市中央区唐人町1丁目10-1 カランドパーク2F)
【チケット料金】
一般:2,000円
学生:1,500円(要学生証提示)
勇者ご一行:5,000円(4枚一組・前売のみ取り扱い)
■勇者ご一行チケットについて
4枚で一組のチケットです。同一回へ4名様でご来場の場合のみ選択いただけます。
お問合せ
メールアドレス:parupunte2016@gmail.com
Twitter:@parupunte_final
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