木ノ下歌舞伎は京都を拠点にしている劇団ですが、宮崎、北九州、久留米と、折に触れて、九州での公演の機会をいただいてきました。久留米では二回目の公演、とても楽しみにしています。
今回、『桜姫東文章』を上演します。演出には、現代演劇の最先端を走っておられる演劇作家のおひとり岡田利規さん、それに、多彩な俳優さんらをお迎えして、現在、鋭意創作中でございます。
『桜姫東文章』は江戸後期の歌舞伎作者である鶴屋南北の代表作で、高貴な姫が遊女へと身をやつし、様々な階層を流転する物語ですが、その中で浮かび上がってくるのは、〝世間の常識〟や〝社会の価値観〟を疑う鬼才・南北の姿勢です。「お姫様はお姫様らしく」とか「色恋より宗教の方が身を任せるに足る存在」であるとか「前世の因縁は切っても切れない」とか……そういった世の中の〝自明なこと〟を桜姫(と、幾人かの登場人物たち)は、時に無視し裏切り、そして、抗います。
それは、慣習的な演劇の約束事を取り払いつつ、一般的なドラマチックとは別な次元で、観客の想像力を刺激しつづける岡田利規さんの演劇作家としての抗う姿勢とも重なります。
鶴屋南北と岡田利規による時代を越えた〝応答〟をお目にかけれればと思っています。
木ノ下歌舞伎主宰
監修・補綴 木ノ下裕一
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木ノ下裕一[きのした・ゆういち]/ 木ノ下歌舞伎 主宰
1985年和歌山市生まれ。2006年、京都造形芸術大学在学中に古典演目上演の補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。代表作に『娘道成寺』『隅田川』『三人吉三』『糸井版 摂州合邦辻』『義経千本桜—渡海屋・大物浦—』など。 2016年に上演した『勧進帳』の成果に対して、平成28年度文化庁芸術祭新人賞を受賞。第38回(令和元年度)京都府文化賞奨励賞受賞。令和2年度京都市芸術新人賞受賞。平成29年度京都市芸術文化特別奨励制度奨励者。渋谷・コクーン歌舞伎、神田伯山の補綴を務めるなど、外部での古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。
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木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』
木ノ下歌舞伎、待望の新作を久留米で上演。
第35回三島由紀夫賞を受賞した演劇界の旗手、岡田利規との初タッグで
鶴屋南北の代表作に挑む。
日程
2023年3月
4日(土) 15:00開演
5日(日) 13:00開演
<上演時間:3時間15分(休憩含む/予定)>
料金
【全席指定/税込】
一般:4,500円
U25(25歳以下):3,000円
高校生以下:1,000円
※高校生以下およびU25チケットは入場時要証明書提示
※未就学児のご入場はご遠慮ください
※託児サービス有、詳細はこちら(定員有/無料/要事前予約 TEL 0942-36-3000)
※車椅子でご来場の方は事前に久留米シティプラザまでお問い合わせ下さい
チケット
■久留米シティプラザ
WEB ※会員登録が必要です
窓口 ※営業時間 10:00~19:00 臨時休館あり
観劇サポート
本公演では、お客様の観劇に際して以下のご用意をしております。
みえない・みえづらいお客様へ
[リアルタイム音声ガイド]サービス:3/5(日)13時の回のみ
きこえない・きこえづらいお客様へ
[ポータブル字幕機提供]サービス : 3/5(日)13時の回のみ
料金 一般:4,050円、 U25(25歳以下):2,700円、 高校生以下:900円
※介助者1名まで無料
お申込み 座席位置・提供数に限りがございますので、下記までご予約・お問合せください。
メール:kcp-j@city.kurume.lg.jp TEL:0942-36-3084
予約締切:2月20日(月)
スタッフ・キャスト
作:鶴屋南北
監修・補綴:木ノ下裕一
脚本・演出:岡田利規
出演:成河、石橋静河、武谷公雄、足立智充、谷山知宏、森田真和、板橋優里、安部萌、石倉来輝
※出演を予定しておりました高山のえみは、諸事情により降板いたしました。なお、久留米公演において、これに伴うチケットの払い戻し対応は致しません。何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。(1月13日)
サウンドデザイン:荒木優光
美術:稲田美智子
照明:吉本有輝子
音響:甲田徹
衣裳:藤谷香子
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:中村未希
演出部:湯山千景
舞台監督:大鹿展明
宣伝美術:外山央
宣伝写真:吉次史成
宣伝衣裳:藤谷香子
宣伝ヘアメイク:国府田圭(成河)、須山智未(石橋静河)
宣伝衣裳協力:PHBLIC×KAZUI、大野知英
制作:本郷麻衣、堀朝美、大蔵麻月
あらすじ
"深淵に沈み、また浮かぶ恋
激動する世界で、いまを問い直す「桜姫」"
新清水寺の高僧・清玄には、若い頃、稚児・白菊丸との心中に失敗した過去があった。その十七年後、吉田家の息女・桜姫が尼になるため新清水寺にやってくる。父と弟を殺され、家宝を失った桜姫は、生来開かない左手を前世の罪ゆえと考えて出家を決意していたのだ。
そこで桜姫が再会したのは、かつて自分を犯した盗賊・釣鐘権助だった。権助の子を産んでいた桜姫は、出家を翻意して権助と交わる。しかしその結果、桜姫の不義の相手として、権助ではなく清玄が無実の罪で告発されてしまった。追放された清玄は、桜姫こそ白菊丸の生まれ変わりだと確信。ところが桜姫はつれなく、ついには誤って清玄を殺してしまう。
変転の末に女郎となった桜姫には、夜ごと枕元に清玄の幽霊が立つという噂が立った。ある夜、清玄の幽霊が桜姫の前に現れ…。
お問合せ
久留米シティプラザ(久留米市)
TEL 0942-36-3000(代)
FAX 0942-36-3087
企画・製作 ⽊ノ下歌舞伎/⼀般社団法⼈樹来舎
主催 久留米シティプラザ(久留米市)
助成 令和4年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
連携 穂の国とよはし芸術劇場PLAT、ロームシアター京都、りゅーとぴあ新潟市⺠芸術⽂化会館
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