【第421回】波田野淳紘(劇団820製作所)

神奈川を拠点として活動する、劇団820製作所(はにわせいさくしょ)の波田野淳紘です。

1月26日より、千早の「なみきスクエア・大練習室」で『東京の街が夢見る』という作品を上演します。この戯曲には数人の高校生が登場します。波田野の高校時代は悲惨なものでした。壮絶に世界とすれ違っていた。クラスメイトとの会話は続かなかった。ギターはヘタクソだった。人間がこわかった。同じ部活の女子が先輩とつきあったらしかった。夏休みが明けて、いつものようにぴょんぴょん飛び跳ねて挨拶をしたら、うん、と言って去っていった。三年の選択の授業は「倫理」。生徒は三人しかいなかった。授業中、先生もあわせて、全員が頬杖をついていた。隣の男子がこっそり「頬杖って、生活に不満がある人がするらしいぜ」と笑った。

作中に登場する17歳たちは、迷い、間違え、うろたえながら、止まってしまった時間を再び動かそうと試みます。その姿が、わたしたちの現在の格闘を、幾分でも励ますものであればよいのですが。

なみきスクエアはできたばかりの新しい施設で、居心地のいい素敵な空間です。併設のパン屋さんが、とても美味しかった。劇場でお会いできることを願っています。


劇団820製作所「東京の街が夢見る」

FFAC創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.6 最優秀作品賞受賞公演

作・演出:波田野淳紘

――そこは、わたしたちの立つ場所に酷似している。東京の街だ。

描かれるのは、あちこちでテロが頻発し、分断され、内戦が生じるという“荒唐無稽な”設定下の日本。わたしたちが「テロリズム」や「戦争」、「全体主義」との距離を考えざるを得ない時代・政治状況のなか、「個人」のもっともひそやかな部分に埋め込まれた力――言葉と物語の力を洗い直し、問い直したいと思います。

出演

洞口加奈 荒井るり子 亀尾建史 千葉恵佑 城戸啓佑 佐々木覚 加藤好昭

真宮立佳 金原並央 印田彩希子 大谷由梨佳 朝廣亮二

会場

なみきスクエア 大練習室

日時

1月26日(金) 19:30

1月27日(土) 13:00/18:00

1月28日(日) 14:00

料金

一般 前売2,800円/当日3,000円

学生 前売1,800円/当日2,000円

高校生以下 無料  ほか

※日時指定・自由席

※学生、高校生以下のチケットをお求めの方は、当日受付に確認出来るものをご持参ください。

ご予約・お問合せ

劇団820製作所

HP:http://820-haniwa.com MAIL:info@820-haniwa.com

 

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