【第427回】重松輝紀(バカダミアン)

どんな芝居を作ろうかと考え、そして「これだ!」と思いつくときはいつも街を移動しているときです。

机の前でうんうん考え込んで書いた脚本は、面白くないし、言葉が生きていません。

街はエネルギーを持っていて、常に磁場のようなものを発散しているんじゃないかと思っています。

多分それは自分や友達、もしかしたら恋人などの誰かが感じた喜びや、悲しみ、怒り…。

つまり人が人として生きてゆく中で発する多くのエネルギーが、地球の磁場などに組み込まれ、街角のあちこちに蓄積していて、自分はそこから何かをキャッチして脚本を書いているのではないか。

排気ガスにクラクション。朝の清々しい空気。好きなあの子。酒や煙草で紛らすやるせない思い。インフルエンザのウイルス。隠し持ったエゴ。良い人ぶった振る舞い。ペットのみに注ぐ純粋な愛情。勤勉か奴隷か分からなくなったアイデンティティ。盗癖。かわいこぶりっ子。狂った叫び声。マンションの美観を損ねるので洗濯物をベランダに干すなという注意書き。酔っ払いの吐瀉物を食む烏。

街はあらゆるものを受け入れ、あらゆるものを吐き出します。

今あなたは誰と何を確かめたいですか。

一緒にここで探してみましょう。


アジア青空劇場フェスティバル in Fukuoka

日程:2018年2月9日(金)~11日(日)

会場:福岡市民会館 練習室A


■プログラム

◎創作講座

「街の中にある劇場を見つける」

・日時

2月9日(金) 19:00~22:00

2月10日(土) 14:00~22:00

2月11日(日) 14:00~22:00 ※最終日発表 懇親会あり

・参加費:3,000円

・講師:山田恵理香(空間再生事業 劇団GIGA)


◎脚本講座

「街をモノ語ろう」

・日時:2月10日(土)10:00~12:30

・参加費:1,000円

・講師:大塚ムネト(ギンギラ太陽's)


◎演技講座

「他者との隔たりを超える体と声」

日時:2月11日(日)10:00~12:30

参加費:1,000円

講師:朴章烈(劇作家・演出家)


◎企画講座

「企画と助成金のお悩み相談室」

日時:2月11日(日)18:00~19:30

参加費:1,000円

講師:和田喜夫

※創作講座参加者は、脚本・演技・企画講座をそれぞれ500円で受講可能。


■お申込み・お問合せ

日本演出者協会 九州ブロック

info.jda.fukuoka@gmail.com

■Facebookページ

https://www.facebook.com/jda.fukuoka/

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