【第466回】垣内美希(舞踏家)

木屋瀬の興玉神社から土手を下りて遠賀川へ出た。

イメージしてたよりもずっとずっと川幅は広い。

向こうに見える山は六ケ岳だろうか。

秋晴れの、日差しの強い、ススキの原のなかを、

わたしは直方に向かって歩き出した。

川と、だだっ広い川原と、河川整備の工事、

トラックが行き交う土手の上の車道とが、

ずーっと平行線で続く。

左手には、皿倉山と、福智山が見える。

天気の良い今日は、

木屋瀬から直方まで歩いて2時間くらいだった。

直方に近づくにつれてだんだん川幅は狭くなったが、

川原がとても広くて、グランドなどが幾つもあった。

昔からこうだったのかはわからない。

草が背高く繁って川の流れには近づけない。

橋は、菜の花大橋と日ノ出橋があった。

菜の花大橋は新しそうだったので、

日ノ出橋のほうを渡った。

チィ親子が木屋瀬の瘤おやじの木賃宿から

遠賀川の堤を大風の中逃げて行くシーンで、

「そのうちに大きな橋の袂に来たが、

両親はその橋を渡らずに、依然としてまっすぐに

堤の上を走って行った。」とある。

木屋瀬の村はずれの木賃宿が、

どのあたりかはわからないけれど、

たぶん「大きな橋」というのは、中島橋のことだ。

ということに、あとから気づいた。

興玉神社から下りたのでは駄目だった。

扇天満宮に行って、

そこから下りてみればよかったなぁ。 

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