【第492回】木下智之(砂漠の黒ネコ企画/モノクロラセン)

希望と桜の蕾が膨らむとともに春がやってまいります。新生活で忙しない日々を過ごされる方もいるのでは。でも余裕が出来たら、花見など行きたいですよね。

満開の桜吹雪の中、塩っけのきいた桜餅を頬張り、甘い日本酒をすすれば、気分はまさに天上楽土。これは時間、空間、五感をフル動員した究極の芸術体験ではないでしょうか。この完全芸術に触れるたびに、私は自分の演劇とは、と自問してしまいます。

申し遅れました、私、砂漠の黒ネコ企画という一人ユニットの木下と申します。この度、アイアンシアターで『Gogh Quartet』という作品を上演させていただきます。タイトル通りゴッホが4人な作品です。ゴッホ感の欠片もない導入で恐縮です。

「絵画×演劇」…

などと大それたテーマではありません。ゴッホの作品には、彼の生き様の全てが詰まっています。この巨匠を、今更絵画以外の表現で表すなんてなんと冗長で冒涜的な!だからこそ、演る上では私は演劇ならではの表現で、ゴッホの世界と、その本質に迫らねばと考えている次第です。

花見酒のように、生きる喜びを噛み締める芸術体験をお届けできたらと思っております。是非ご来場くださいませ。

執筆者:木下智之(砂漠の黒ネコ企画/モノクロラセン)


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