【第496回】緒方卓也(ロボットパンケーキZ主宰)

皆さん初めまして。ロボットパンケーキZ、作・演出の緒方です。

引きこもり3部作第2弾として「広がる世界と、孤立する個人」というテーマのもと作り上げております。技術が技術を呼び、加速し目まぐるしく回る世界の中で僕たちは、感覚が遠くまでに及ぶようになって、自分たち人類が「強くなった」と勘違いしているのではないでしょうか。感覚が遠くに及ぶほど、僕たちの心は弱くなり、身近なところからのダイレクトアタックに対応できなくなってしまい、鋭敏に反応してしまう。

僕は、「引きこもり」というのは人間に元来より備わった防衛本能なのではないかと考えております。僕たちは皆、「引きこもり」の性質を持っているのです。それはもしかしたら、母親の腹におさまっていた時の記憶から来るものなのかもしれません。産み落とされた僕たちは、鋭敏に反応してしまう世界に対して、今、戦うための準備を引きこもって整えているのかも。

オリンピック・万博と怒涛の波が押し寄せてくることが分かっているのなら、私たちはこれから来る波について、一度考えなければならないのではないでしょうか。 


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