【第556回】今村嘉太郎(観世流能楽師)

グローバル社会と能楽

全国的に人気の高い「能楽子ども教室」を福岡の地で、また私の生まれ育った早良区から九州に広めていきたいとAMCF様と共に子ども教室を企画しました。

能楽は室町時代に観阿弥、世阿弥親子によって大成され、たくさんの人々を魅了してきました。その理由の一つが習うことができ、披露することができるからです。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、数々の大名達も競って能を習いました。

また武士の芸能でありながら一般市民まで能が広まった理由の一つは謡曲文化(能の謡部分を謡う)として根付いたからでしょう。つい最近まで結婚式などで披露される「高砂」を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

この武士に愛された能楽には緊張感、礼儀作法、精神性、美意識など様々なエッセンスが含まれています。子どもたちと親御さん共に能を体験することで、日本人の誇り、感性を学んでもらい、これからのグローバル社会に向けて少しでも役立てて欲しいと思います。

海外で高砂を披露するとスタンディングオベーションが起こると聞きます。目標は結婚式や祝いの場で能の謡を披露する習慣が復活する事です。

2020.06.25


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