【第716回】池山ユラリ(彗星マジック)

池山ユラリ(彗星マジック)


はじめまして。関西で活動する劇団、彗星マジックの池山ユラリと申します。

彗星マジックには普段役者として所属していますが、

4年ほど前から個人で脚本、演出としても活動をはじめ、

今回INDEPENDENT:FUKでは西原希蓉美一人芝居「歌向ける」の作演出を務めています。


私は愛知県出身です。

大学入学と同時に関西に来ました。10年以上ほど前の愛知にいる間、

つまり中学~高校時代、私は宝塚音楽学校の受験生でした。

今やすっかりその面影も消え去ってしまいましたが…。

宝塚音楽学校とは、「清く正しく美しく」をモットーに、

芸能の基本と女性としての教養を学ぶ学校で、予科•本科合わせて2年制の、

宝塚歌劇団団員の養成所です。


音楽学校の受験資格は、

「受験年に15~18歳で、受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業又は

高等学校在学中であり、容姿端麗の女子であること。」

(当時の資格要項です。どうやら最近の宝塚音楽学校のHPを見たところ、

募集要項で”容姿端麗“という文字は見当たりませんでした。)

試験内容は、ダンス、声楽、面接、健康診断。

当時は「東の東大、西の宝塚」と言われるほど狭き門で、倍率は30~40倍。

入学するまでにも厳しい世界で、ダンスも歌も下手な私は毎日のように

レッスンで泣いてました。


また、募集要項の「容姿端麗であること」という文字が思春期の女の子にとっては、

もうなかなかに大変でして。もしかしたらたった1キロの体重の差が

今後の人生を左右するかもしれない。たった1キロの差で受かるかもしれないし、

落ちるかもしれない、という環境でした。


でも、やっぱりレッスンがない日は菓子パンとか学校帰りのおやつに食べちゃう。

ちょっとみんなとご飯とか言ったらみんなと合わせて食べちゃう。

お正月とか家族ぐるみのイベントがあると家族に合わせて食べちゃう。


もちろん毎年受験には落ち続け。


しかし高校3年生の後半に、「このまま落ちたら後悔するんじゃないか?」と思い、

健康には気を遣いながら、甘いものを一切とらなくなり、ほぼ毎日レッスンに行き、

遊ぶこともしなくなりました。


嘘です。


こっそりキャラメルを1日1個だけ舐めてました。そんな日々でした。


でも結局2011年3月、私の青春はここで幕を閉じました。

その瞬間、私は「ああ、もうこんなに頑張ったんだから、私には他にやるべきことが

あるんだ!」と思い、宝塚、そしてミュージカルの世界、そして舞台の世界に憧れることを

辞めました。



…が、

ですが、

なぜか、私はその後

「そういえばダンスと歌はやってたけど、芝居はやってなかったな?」

と思ってしまい、結局芝居をはじめてしまい、彗星マジックに入り7年経とうとしてます。


憧れていた宝塚と今やってる芝居は全く、まーったくの別物ですが、

それでもやはり舞台というものは共通して楽しいけれど辛いことも多い。

そもそも青春時代にあんなに辛い思いをしたじゃないか。

なんで今も結局舞台人であろうとするのだ。


ダンスと歌からフィールドを変えて芝居にしたところで同じなのです。

努力しても結果が出ないことなんてしばしば。

どんなに努力したって結果が出なくて、周りに好き勝手に努力が足りないと言われることも

しばしば。全然自分の表現が伝わらなくて苦虫嚙みしめることや嚙みしめられること

なんてしばしば。不器用すぎて芝居に気をとられて日常生活が上手く送れないことなんて

しばしば。


「いやそれなら辞めてしまえよ!」と側から見ていたら、ここまで読んでいたら思う

でしょう。私も書きながらそう思います。ほんとに。

しかし、それでも、私の中で何かが、辞めさせようとしてくれません。

その何かが、私にはわかりません。その何かが言葉になった時、

もしかしたら私は芝居を辞めるかもしれません。


そもそも、「私」という「個」の話ではなく、何故人間には「言葉」というツールや

表現方法があるのに、「言葉」を超えた表現を、「言葉」だけではない表現を、

するのでしょうか。

何故「言葉」だけではなく、歌や、音楽や、踊りや、絵や、

そして芝居という創作、表現をするのでしょうか。

そこにはきっと「楽しいから」「伝えたいから」があるのでしょうが、

それ以外の、それ以上の強烈な何かがあると思ってなりません。


そんなことを考えながら今回の「歌向ける」を書いたかどうかは、

ごめんなさい書いている途中必死だったので覚えていません。笑 


が、最終的に、役者西原希蓉美さんと稽古をするうちに、なぜ芝居をするのか、

なぜ歌をうたうのか、の問いかけに執着して終着した作品になったように思えます。

よろしければご覧ください。

そしてよろしければ、感想をお聞かせくださいませ。


最強の一人芝居フェスティバル=インディペンデント

INDEPENDENT:FUK24 

6/8(土)~9(日)

九州版“最強の一人芝居フェスティバル”

毎年、大阪・インディペンデントシアターを拠点に開催される

最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT」。

2011年夏に行われたジャパンツアー福岡公演を経て、

2012年から九州の創り手を中心に継続開催をスタート。

応募多数の選考を突破した九州の精鋭5組と本家大阪公演で好評を得た招聘1組の

計6作品が熱い競演を繰り広げる!


■日時■

6/8(土)16:00~ [ a d f ]

6/8(土)18:30~[ c b e ]

6/9(日)13:00~[ c b e ]

6/9(日)15:30~ [ a d f ]

※各回45分前に受付開始、30分前に開場します。

※作品の間には転換と換気時間を取りますが、3作品を連続上演いたします。

※1ステージで3作品を観劇できます。

※1作品の上演時間は約30分です。


■料金■

●1日通し券(終日で全6作品観劇可)

[一般]前売:3,200円 / 当日:3,500円

[U-22]前売:2,200円

●1ブロック券(3作品観劇可/ブロック指定)

[一般]前売:2,200円 / 当日:2,500円

[U-22]前売:1,500円

※U-22は22歳以下の割引チケットとなります。

※U-22は枚数限定・前売(予約)のみとなります。

※当日、年齢か生年月日を証明できる書類をお持ち下さい。


■予約■ (4/27チケット発売)

●WEB予約

カルテットオンライン https://www.quartet-online.net/ticket/fuk24

*カルテットオンラインにてご予約→当日会場受付にてご精算。

*前売チケットの発券はございません。

●メール予約

fuk@independent-fes.com

(1)お名前 (2)ご来場日時【観劇ブロック】 (3)チケット種類と枚数 (4)お電話番号

をお伝え下さい。メール予約は当方からの返信をもって予約完了といたします。

ご精算は当日受付窓口となります。


■会場■

ぽんプラザホール

〒812-0038

福岡県福岡市博多区祇園町8-3

TEL 092-262-5027

HP:http://pomplazahall.jp/


■スタッフ■

舞台監督・音響:相内唯史(at will)

照明:百瀬友秀(M.M.S.T)

舞台転換:Finneganswake

宣伝美術:T.A.(at will)

INDEPENDENT総合プロデューサー:相内唯史(INDEPENDENT)


■お問い合わせ■

[INDEPENDENT]

●TEL = 090-8532-2280

●メール = fuk@independent-fes.com

●HP = http://independent-fes.com/

主催・企画・製作・運営:(株)INDEPENDENT 

制作協力:アートマネージメントセンター福岡


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